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金融×エフェクチュエーションのミライ ~スピンオフイベントを開催~

2024年05月20日

 前回は3月8日に開催したカンファレンス「ホケンノミライ2024」のキーノートセッションについてご紹介しました。今の保険業界の変革を阻む壁は何か。パネリストの三井住友海上の木田さん、住友生命の岸さん双方が、変革のための処方箋として挙げていただいたのが「エフェクチュエーション」でした。
 エフェクチュエーションに関しては、デジタル庁の樫田光さんが大変わかりやすいまとめ記事をnoteに公開されています。
https://note.com/hik0107/n/n787067e44119

 経営学者のサラ・サラスヴァシー教授は、熟達した起業家たちの意思決定についての実験や調査から経験則の明確なパターンを発見し、それを5つの行動原理にまとめました。以下、前出の樫田さんの記事から一部引用します。

・Bird in hand(手持ちの鳥の法則)は、手持ちの機会と資源を使って活動することを最優先にする、という行動原理。
・Crazy Quilt(ランダム柄の織物の法則)は、偶然によって出会った人との関係性を大事にする、という行動原理。
・Pilot in the Plane(飛行機のパイロットの法則)は、コントロールできることに集中する、という行動原理。
・Lemonade(レモネードの法則)は、苦いレモンからレモネードをつくるように、思いがけない(苦い)ことが起きたときにも、それを活かす、という行動原理。
・Affordable Loss(許容可能な損失の法則)は、自分たちで許容できる損失範囲を把握し、なにかに挑戦する際にもリスクがその範囲内に収まるようにコントロールする、という行動原理。

 私がエフェクチュエーションを知ったのはかなり最近ですが、有志コミュニティ活動を通じて取り組んできたこれまでの私の行動パターンにあまりにも適合することが多いので驚きました。保険業界のAPI普及に多くの課題を感じ、所属組織での本来業務として解決しようとしたのですが全くうまくいかず、あきらめて有志の勉強会という小さなコミュニティを立ち上げました。そこで得られたささやかな結果を新しく出会う方と共有し、そうした方々の影響を受け、小さな方針転換をくりかえして、今できることを積み重ねてきた結果、400名を超える成長を遂げた有志コミュニティをベースに、保険業界では国内最大級のフラッグシップイベント「ホケンノミライ」を開催することができたのです。

 エフェクチュエーションの対義語は「因果関係」を意味する「コーゼーション」です。通常の会社経営では、「将来を推測し、その推測から逆算して行動を組み立てる」ことを重視するため、まずは「正確に予測をすること」「ゴールからの逆引きでタスクを定義すること」を重視します。一方、起業家は旧来の経営者と比べて「予測」に重点を置かず「コントロール」を重視します。

 大企業とスタートアップの提携、本業と課外活動の両立、社内活動と越境活動。こうした2軸が交じり合う、本来は生産的なはずの活動で、衝突やすれ違いが起こりがちなのは、2つの異なる行動原理が原因ではないか。企業を成長させるためには当然「コーゼーション」に基づく意思決定も重要です。どうすればこの2つを両立することができるのか、これは深掘りしてみたい、ということになり、住友生命の岸さんの私塾であるVitalityDX塾との共催で、6月7日にホケンノミライのスピンオフイベント「金融×エフェクチュエーションのミライ」を開催することにしました。詳細は特設ウェブサイトをご覧ください。https://hkm-2024-event.studio.site/

(GuardTech検討コミュニティ代表)
https://www.facebook.com/j.nukumizu

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