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め・て・みみ ~企業のリスクマネジメントの高度化検討会報告書公表ー金融庁、事業会社の保険子会社設立容易にするための法改正検討へ
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2026年04月21日
【ニュース】
金融庁と経済産業省の「企業のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会」は、企業を取り巻く環境の変化や企業のリスクマネジメントの現状と課題、企業のリスクマネジメントの高度化に向けた対応事項等について、昨年12月から本年3月にかけて、計3回、幅広く議論を行い、これまでの検討を踏まえ、「企業のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会」報告書を同会議でとりまとめ、4月17日に公表した。 近年、国内外で事業展開する企業は、自然災害の頻発・激甚化や地政学リスクの顕在化などにより、事業中断を余儀なくされるリスクや損失の拡大リスクが高まっていることから、企業におけるリスクマネジメントの取組みを強化していく重要性が高まっており、損害保険の活用も含め、企業がリスクを適切に管理しつつ、成長に向けた投資を推進していくことができるよう、関係者間で共通理解の醸成に取り組んでいくことが検討会の趣旨。 金融庁と経済産業省が事務局となり、損保協会、生保協会、外国損保協会、仲立人協会ならびにヒアリング先企業として旭化成 、エーオンジャパン、横浜銀行 、コカ・コーラボトラーズジャパン、 ボストン・コンサルティング・グループ、 三菱重工業株式会社で構成。 報告書ならびに報告書概要は以下の通り。 https://www.fsa.go.jp/singi/riskmanagement/houkokusyo.pdf https://www.fsa.go.jp/singi/riskmanagement/gaiyou.pdf こうした企業リスクマネジメントの高度化検討会での提言(リスクマネジメントの高度化に資するキャプティブの利活用を含めた政策の検討の必要)や企業サイドの要望等を踏まえ、金融庁では、4月14日、事業会社が保険子会社を設立しやすくする制度の創設を検討。自然災害などに備える保険を損保会社と共同で引き受ける方式などを想定したもので、明2027年にも保険業法の改正案を国会に提出する方針と報じられている(日経や共同通信報道)。事業会社が自ら保険子会社を設立してリスクを引き受ける動きを「キャプティブ」と呼び、日系企業でも海外を中心に設立する動きが広がっている。 企業の事業リスクが多様化する中、既存の損保だけでは引き受け切れない損害が増えるほか、保険料が巨額になる恐れがあるとして、主に産業界から緩和の要望が出ていたものに対応する。新制度ではキャプティブ目的の子会社をつくる企業を支援するため、設立要件を緩める。企業はグローバル単位でリスクを管理しており、子会社を設立することで保険料を抑制できる可能性がある。自然災害が増えるなか、損保会社にとっても保険を引き受けやすくなる。 今回の報告書概要のポイントは以下の通り。 損害保険を巡る主な環境変化として、1)自然災害の頻発化・激甚化により、損失拡大を背景とした保険料率の上昇とともに、2)地政学リスクの高まりにより、輸送コストや保険料が増加し、引受環境が悪化。3)訴訟の増加や高額判決を背景に、特に北米での損害賠償責任保険の支払額が物価上昇を上回って増加(ソーシャルインフレーション)、4)既存の保険商品での対応が困難なサイバーなどの新種リスクの増加、を挙げている。 また企業を巡る主な環境変化については、1)新規事業や技術革新など企業の中長期的な成長投資の重要性(日本の企業は欧米と比べて成長投資の拡大ペースは伸び悩んでいる)や、2)中長期的な戦略や取組について企業と株主の間での建設的な対話(説明責任)の重要性、3)資本コストを意識した経営(加重平均資本コスト等を用いた最適化など)の重要性が、それぞれ高まっている、としている。 これらを踏まえ、「企業のリスクマネジメントの高度化が重要」とし、事業の予見可能性の向上、資本コストの削減、一層の成長投資の後押しが必要としている。 損害保険会社・保険仲介者における課題と対応としては、損害保険会社において、事業者と密なコミュニケーション・情報連携、リスク評価分析を進めるなどアンダーライティングの一層の高度化を図るとともに、自然災害予測やコスト分析等を踏まえたリスクに見合う保険料を設定し、損害データの収集や分析基盤・評価手法を整備・向上させることにより、新種リスクへの対応を図ることが必要、としている。 保険仲介者においては、企業リスクやニーズの把握・支援を行う(リスクエンジニアリングを図る)とともに、保険仲介者の人材の育成が必要、としている。 国内企業における課題と対応としては、各部門に分散する保険手配を一元化し、会社全体で最適なリスク移転(リスクファイナンスの実現)を図り、国内の法令遵守に留まらず、国際的水準を踏まえた防災対策(リスクコントロール)を講じ、重大障害等のリスクに直面した場合の早期復旧力・適応力(レジリエンス)の強化が必要、とするとともに、失敗を恐れる企業風土から脱却し、リスク情報を共有・活用して新たな価値を創造(攻めのリスクマネジメント文化を醸成)し、CROの権限明確化など経営陣が主体的に関与すること(経営陣のリーダーシップ)が必要、としている。 政府(金融庁及び経済産業省)における対応としては、仲立人の活性化に関する政策や、海外直接付保の運用面の改善やリスクマネジメントの高度化に資するキャプティブの利活用を含めた政策を検討、ならびに、先進的な取組を好事例として発信、企業に関連データの保険会社等への提供の促進、IRなどを活用した積極的な公表・情報開示を慫慂していくことが必要としている。 (中) |
