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め・て・みみ~生保で相次ぐ金銭詐取と問われる営業の仕組み

2026年04月28日
【ニュース】

 プルデンシャル生命のライフプランナー(同社独自の営業職員制度、元職員含む)の金銭詐取問題が同グループのジブラルタ生命やソニー生命にも拡がりを見せ、その背景に、長らく生保の成長牽引のビジネスモデルとして採用され、定着してきた営業成績に連動した完全歩合給(フルコミッション)という特有の報酬制度に由来するものがあることが、会社側のガバナンス問題とともに問題視されている。これが単にこれら個社レベルの問題にとどまらず、広く生保業界の営業のあり方そのもの(生保会社のみならず生保系の代理店でも募集人評価にも完全歩合給を採用しているケースが多い)にまでつながる問題なだけに、大きな関心を集めている。

 新契約獲得時の報酬が極端に高い比率で配分される一方で契約がとれなければ最低賃金まで落ち込んでしまうという不安定(しかも短期解約時=例えば半年以内なら100%の戻入れのリスクがあることや、個人事業主扱いのため、営業経費は本人持ちなど)で、顧客との継続的な関係維持よりも短期的な行動をとりやすい土壌を作り出していること、それゆえ心理的な圧迫が強く働き、最悪のケースとして顧客への投資話や金銭借入れ、未返済という金銭詐取が生み出され、しかも保険会社として長期にわたって、ガバナンスが効かない常態になっているという構造的な問題として問題が表面化したことだ。

 国内大手生保の中には、例えば、新規採用時から成果給に移行するまでに固定給を2年から5年に延長したり、選別採用方式に切り替えたり、新規契約時の比率を下げ、顧客との継続的なフォローアップの評価を高めたりと、収入の安定化による在籍年数長期化モデルに切り替えつつあるところもあるが、体制は依然としていわゆるターンオーバーすなわち大量採用、大量離職(脱落)というモデルから脱却しきれておらず、顧客に寄り添い持続的な関係を保持する営業職員モデルへの転換は未だ道遠しの感がある。

 金融庁でも、過去30年以上にわたり、被害者500人以上、関与営業職員、元職員含め被害総額31億円というプルデンシャル生命に対しては本年1月末から立入検査を開始しており、更にガバナンスの関係から4月中には親会社(プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン)への立入検査を打ち出し被害の実態把握都再発防止策を求め、行政処分を視野に入れている。

 プルデンシャル生命としても2月9日から3ヵ月間の新規営業自粛を決めたのに続き4月22日には営業報酬制度や管理体制などの抜本改革にさらなる時間を要すると判断、11月5日までのさらに3ヵ月間の新規営業自粛を発表し、被害の全容解明と再発防止策を急ぐ。また同グループのジブラルタ生命でも被害の申し出が約70件寄せられており、事実関係や被害の確認を急ぐとしている。

 ソニー生命でも4月24日、金銭詐取疑惑の一因となった専属代理店制度の廃止を決定した。2026年1月に公表した専属代理店プレミア・エージェンシーの募集人による不正事案に加え、現時点で約30名の顧客から金銭に関わる不適切行為の疑いに関する申し出を受けているとし、ライフプランナーが独立して専門的な要請に応えることを目的とし、独立性と専門性に依拠した運営を前提とする枠組みの制度だったが、専属代理店の保険募集人の販売活動を同社で管理するのは限界があるとし、代理店の態勢整備や統制上の課題を重く受け止め、今回の措置に至ったものだ。

 今後は、専属代理店を一般代理店へ移行させ、一般代理店への移行と本社部署による直接の契約確認プロセスにより、顧客との接点を組織的に監視する仕組みに変更する。「不正事案の未然防止・早期発見に向けた弊社の取組について」として、ライフプランナーを含む営業活動の管理強化に取り組むと公表し、営業現場のモニタリングやチェック体制の強化、不正の兆候を早期に検知するためのシステムやルールの見直し、法令・社内規程に沿った募集行為を徹底するための教育・研修の強化を打ち出している。

 具体的な仕組みとしては、営業用端末によるペーパーレス手続きを原則とし、紙帳票を廃止。出金手続きにおいては本人確認の強化に加え、第三者口座の指定不可や契約者貸付の上限引き下げなどの対策を講じる。また、3年に1度、本社専門部署が顧客へ直接連絡し契約内容を確認することで、営業社員との密室化を回避する設計としている。

 これに営業職員(ライフプランナー)や元ライフプランナーの専属代理店(パートナー)の保険募集人がかかわった案件に対し、事実確認や補償の必要があるかどうかを慎重に判断する、としている。

 併せて同社では被害の実態把握のため、営業職員や専属代理店が抱える約280万人の契約者を対象に一斉調査に乗り出し、5月末を目途に進捗を公表するとしている。

 (中)

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