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め・て・みみ~保険代理店と生成AIのかかわり

2026年05月26日

 生成AIの急進展が保険代理店に今後どのようなビジネスモデルの変化をもたらすのだろうか。生成AIの躍進は凄まじいものがあり、産業界はもちろんのこと日常生活でもその活用が浸透しつつある。こうした中で、保険の世界でも生成AIが業務のプロセスにも深く浸透しつつある。

 こうした中で保険代理店についてもその業務プロセス例えば、商品の説明、対応履歴管理、顧客との応答業務、損害サービス業務に生成AIの活用の試みは広がりを見せており、今後保険代理店ビジネスにおいて生成AIは大きな役割を果たすことが想定されている。

 そうなると、生成AIは従来人間が担ってきた仕事を奪う事になるのではないか、専門家としての代理店のポジションが揺らぐのではないかとの懸念の声も上がるところとなるが、すでに生成AI活用は、定型的な標準化される業務から始まり、今後これまで人間が得意としてきた、より複雑な業務での応用にまで活用範囲は広がっていくことになるからだ。

 保険は、目に見えない、いわゆる信用という幻想、フィクション(虚構)によって成り立つ、人のネットワークを前提とした高度なビジネスモデルだ。しかもその商品は複雑で、情報の非対称性が長らく問題視されてきた。すなわち情報面での保険を提供する側、販売する側の優位性、顧客の不利性というギャップに由来する問題の解消がたえず問い直されてきたが、生成AIは情報弱者と言われてきた顧客の保険に対する情報能力を著しく高度化していくことも考えられる。

 近い将来には、AIエージェントを顧客が活用した対応すら想定すされるところとなり、例えば電話応対やSNS対応でも、保険会社や代理店に対し、顧客本人が連絡してきたのか、顧客のAIエージェントあるいはAIアバダーが連絡してきたのかを見極める必要がある。このような事態になれば、保険会社や代理店も顧客との対応面で、AIエージェントやAIアバダーの活用はいずれ間違いなく必須となるに違いない。こうした世界ではもはや保険の情報の非対称性は崩壊しているといえる。

 このような近未来の取引への生成AIの普及が本格化することを考えれば、生成AIは、人間でなくてもこなせる業務の効率的な代替というよりも、実は、人間の能力をより拡張していくツールとしてとらえるべきではないだろうか。

 保険というビジネスは、現実世界の人間の生死や事故に係っている。ゆえにそれを確率化・金銭化してデジタルというロジカルな仮想空間で効率的に処理していく仕組みだが、それを再び現実世界にフィードバックしていくときは、悲しみ、痛み死の恐怖という人の感情がわかる人の関わりが不可欠になる。まさに人に寄り添う、信頼に基づくケアの役割が不可欠になる。

 このような役割は個人と法人を問わない。顧客の悩み、苦しみ、痛み、悲しみを顧客と共有し共に問題解決支援の伴走者の立場に立てるような代理店は、生成AIも積極的に活用することで、サービス品質をさらに磨ける時代になったといえる。

 (中)

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