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め・て・みみ ~はなさくCRMセンター、デジタル×人融合の非対面営業モデル

2026年06月16日

~初期サポート、LINE1to1、アバターオンライン面談駆使~

◇2拠点体制で本格始動、声優や歌手など多様な人材を登用

  日本生命グループのはなさく生命では、昨2025年8月よりCRMセンターでの営業を開始し、現在六本木センター(約30名)と東池袋センター(約20名)の2拠点体制をとっている。

 CRMセンターのオペレーターを「サポーター」と称し、厳正な選抜基準を経て採用され、教育チームによる研修を受け、募集資格を取得した若手中心のスタッフで構成されている。現役の声優や歌手、接客サービス業経験者なども多数在籍し、顧客目線で時間をかけた丁寧な対応サービスを構築している。

 顧客との対応面では、サポーターが顧客に定期的に架電する「なじみ化コール」や顧客から自分の担当者から連絡して欲しいと指名のあったサポーターを評価する「指名入電」の勧奨など独自な制度を取り入れているのも特徴だ。

◇非対面コミュニケーションで継続率向上と新契約獲得を目指す

 CRMセンターでは、ダイレクト(Web、郵送)の既契約者に対して、電話やLINEによる「非対面」でのコミュニケーションによって、継続率向上や追加・紹介による新契約の獲得を実現していく。また、今後の顧客志向の変化を見据えた、デジタル活用のノウハウ開発や、生成AIの活用など先進的な取り組みのPoC(概念実証)も実施していく。

 今回、六本木のCRMセンター(2025年10月開設)を訪問し、CRM推進部の大寄昭生氏から直に説明を伺うとともに、業務の現場を見学させてもらった。

 同社は後発社として、従来のダイレクト生保先行社に追いつくための展開から一歩進み、デジタルと人を融合した独自の仕組みを構築している。非対面ながらアナログの対面営業で培ったノウハウを最大限に活かし、代理店・ダイレクトチャネルを牽引する会社へと変革していく新たなステージを迎えつつある。

 それだけにビジネスチャンスも大きく、目下、様々な新たな挑戦の真っただ中にある。ここでは、これまでの保険業界にはなかった独自の顧客体験の提供の一端を紹介してみたい。

◇CRMセンターの初期サポートの流れ

1)Web・郵送による契約成立リスト抽出(100とすると) 成立翌営業日にダイレクト(同社直扱い)で成立になった契約者リストを抽出し、顧客セグメント毎に架電担当者を割り振る。

2)成立翌営業日から全件架電開始(70) 成立ハッピーコールを全件架電し、顧客属性によって、時間帯を変えて5回架電(+LINE)することでコンタクト率は70%程度を確保。

3)内容確認のアポイント取得(40) 着電後は、加入目的の確認や顧客情報のヒアリングを行い、改めて内容確認を行うことを提案。着電からの承諾率は60~70%。

4)内容確認実施(40) 内容確認を行うことで、保障額の不足や他社既加入保険の見直しニーズが出た場合は追加提案を行う(案件化率は30%程度)。申込手続きは提案プランによって郵送・Web・オンラインのいずれかで実施。申込率は郵送30%、Web50%、オンライン60%程度。

5)継続フォロー 顧客対応の音声ログをAIで分析し、顧客ニーズに合った1to1のアフターフォローをLINEベースで実施。なお現在はPoC(概念実証)期間中。

 Webや郵送による契約は、対面とは異なり加入した保険が本人のニーズに合致していないケースもあるため、成立直後の初期サポートが継続率向上に大きく影響する。また内容確認によって不足ニーズへの提案や、家族紹介などによる新規案件が一定数発生する。また、オンライン面談であればダイレクトでは扱っていない変額保険も提案可能となる。

◇CRMセンターの初期サポートによる新契約事例

 若い夫婦による例では、夫が医療保険の契約を申し込み、Webサポートチームが成立架電を行いヒアリング。その際に、資産形成型の保険に興味を持たれたため、オンライン面談のアポイントをとり、夫婦揃ってオンライン面談を受けて頂き、「資産形成ガイドブック」を使って変額保険の提案を行い、2回の面談で夫婦それぞれに変額保険に申込・成約したケースがある。

 60歳代の夫婦では、夫が定期保険の申し込み手続き中、入力の中断があったことで、Webサポートチームが即時架電してヒアリング。掛け捨てではないタイプがあることを案内し、翌日のオンライン面談アポイントの結果、併せて変額保険加入が決まり、更に、その後のLINEでのやり取りから妻の保険加入の申し出があり、半年後に妻の変額保険と医療保険の申し込みに至った実例もある。

 いずれの案件もダイレクト契約だけではキャッチアップできない資産形成ニーズを、CRMセンターのフォローから引き出し、シームレスにオンライン面談につなげたことで、顧客がストレスなく資産形成プランの申込になったと言える。

◇オンラインの場合、募集人はアバターによる対応

 同社では、オンライン面談の場合、「アバター」による対応を行っており、募集人が顔を出さないことも特徴となっている。アバターによるオンライン面談の成約効果は、電話による営業が申込率25%なのに対し、電話に画面が追加されるアバター面談(約60分)による申込率は60%にまでアップする。

 一方、一般的な対面営業では複数回の長時間面談を要することになり、その申込率は60%なのに対し、対面と同じことを一般的なオンライン(顔を出してのオンライン営業)で行う場合には申込率は40%にまで下がる。

 同社によるオンライン営業では、対面営業と遜色ない申込率に加えて、対面営業よりも短時間(アバター面談約60分)で契約に結び付ける結果を出している。

 この結果について同社によると、募集資格を有するサポーターがキャラクターのアバターになりきり演じることで、アトラクションと専門性を兼ね備え、仮想空間での疑似対面の方式となるが、1)電話での保険販売スキルがベースにあるため、オンラインによる資料投影により顧客の理解度が促進されること、2)優績者の音声を分析し、トークの標準化と改善を継続的に実施することで安定した申込率を確保できること、3)顔出しをせず、動物アバターで行うことで、親しみやすさや、スタッフと顧客双方のストレス低減につながり、また適切な距離感、軽快な信頼関係を求める若年層のニーズに合致し、生産性アップを実現していること、などをその理由としている。

◇デジタルと人を融合したアフターフォローの流れ

 このように同社のCRMセンターは、デジタルと人を融合したアフターフォローの仕組みを構築しつつあり、そのイメージをまとめると次の通り。

1)情報収集・顧客理解(契約情報、Web回遊情報に加えLINE外部データなどの情報を活用し、統合的な顧客データに基づいて適切なセグメント配信を実施している)

2)反応補足・スコアリング(配信顧客に対し、各CV・コンバージョン=動画視聴・ウェビナー申込等の状況を確認したり、CV状況に基づき、顧客をスコアリングすること)

3)コミュニケーション(CVに応じて、1to1チャットや架電によりコミュニケーションを実施、顧客ニーズに基づき定期点検・コンサルティングのアポを取得)

4)コンサルティング(資産形成ニーズに対してはアバター/オンライン面談による変額保険の説明、保障ニーズに対してはチャットからWeb申込プラン(URL)送付)

◇LINEによる1to1の取り組み

 またLINEを使い1to1で実現した新たなコミュニケーションも画期的な取り組みと言える。契約者がLINE登録後、LINEからマイページにログインすると、リッチメニューが変わる。トーク画面では保険会社からの配信だけではなく、1to1での自由なやり取りが可能。しかも同社のキャラクターの「幸せの花を咲かせる」ゾウの家族のスタンプを活用しての、個人間で行うものと同様の楽しく気軽にできるコミュニケーションは大変好評だ。

 LINEでは、相手が特定できているため簡易的な保険相談も行っていて、必要に応じて電話・オンライン面談につないでいる。中には、LINEコミュニケーションだけでWebで申込完了まで行うこともある。一度LINEからログインすると、2回目からは、ID・PWの入力不要で、マイページにログイン(シングルサインオン)。手続き希望、追加契約検討の顧客向けにそれぞれタブを用意、トーク画面で相談アポまでLINEで完結するから便利である。LINEでの1to1コミュニケーションの流れは次の通り。

1)コンテンツ配信(例えば年末調整のポイントのコンテンツを送信)

2)コミュニケーション(手続きを済ませたかの確認と具体的な記入方法などを動画で補足)

3)ヒアリング・ニーズ喚起(対象となる保険契約を確認しながら、他社加入状況を確認。保険料控除の枠活用可能額の確認、都合のつく時間帯入力)

4)架電・面談勧奨(見直しや追加加入の検討を促す)

 このようなアプローチでは、初めての保険加入をWebで行った、担当者のいない若年層からの反響が多数あったとのことだ。

 対面チャネルの強みであるアフターフォローをデジタル×人の融合によって非対面で再現する同社の試みは、生成AIなどの最先端テクノロジーを取り入れながらさらに進化していく。ローコストと高品質なサポートを両立させ、長期的な顧客満足を維持することで、既契約マーケットから安定した新契約を獲得していくという同社の新たな挑戦に、今後も大きな注目が集まりそうだ。

 (中)

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