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読書トライアスロン(162)会社を経営する意味

2024年08月20日

◇根源的な欲求に立ち返る

 保険代理店を経営される方にとって、会社を経営する意味ってどういったものがあるでしょうか?

 ・お客様の安全と未来のため?

 ・自分たちの社会的地位を高めるため?

 ・世の中を変えるため?

 ・苦しむ人をなくすため?

 経営理念には、壮大な思いがつづられているかもしれません。その壮大な思いに、心の底からコミットできればいいのですが、多くの方がどこかしらギャップを感じている、というのが現実ではないでしょうか。

 顧客本位の業務運営という旗を掲げているものの、現実は、保険会社や上司への忖度や、手数料ポイントの充足のための活動に終始している、なんていうことも多いのではないでしょうか。批判を承知のうえで申し上げるなら、口ではきれいごとを言いつつも、顧客は二の次、という会社は思いのほか多いと感じます。

◇経営上仕方がない……?

 あるお客様が、飛び込みで当社にやってきたことがあります。そのお客様は、こうおっしゃいました。

「長年別の代理店で契約してたけど、その代理店、タブレットで手続きしなければ契約できないと言っていたが本当か?私は紙にサインをして契約したいのに」

 顧客本位に見えないこの代理店の行為も、タブレットでの手続きをしないとポイントを下げられる代理店にとっては、死活問題です。

 一方、海外の企業の多くは、徹底した顧客本位を進めています。ある米国の音楽CD通販会社、CD Baybyの創業者はこういいます。

「顧客が喜ぶことと、自分(と社員)が幸せになること以外は一切やらない」

と明言していました。

 実際に、大手音楽プロダクションとの提携話も、「一時的に売り上げは上がるかもしれないけど、顧客も社員も幸せにならない」という事から一蹴したというエピソードもあるようです。

 そういえば、あのヤマト運輸も、宅急便発明前夜にはワガママな大口顧客とのやりとりで社員が疲弊しているのを見て、契約を破棄したというエピソードがあったことを思い出します。純粋に、顧客と自分たちの幸せがすべてである、という方針で急成長した事例は私たちに勇気を与えてくれます。

◇社員が求めている物

 今の時代、社員が定着しないといいます。一流の保険会社でさえ新卒採用から数年で人が辞めていくといいます。それはなぜでしょうか。

 恐らく、社員が働く動機が変わっているのです。マズローの欲求段階説から考えても、生理的欲求や安全欲求は当たり前。社会的欲求や、承認欲求ももはや限定的で、多くの若者は自己実現欲求に傾いているのではないでしょうか。そして、生きがいは顧客との絆から生まれることが多い。

 あまりにもシンプル過ぎる、「顧客が喜び、社員が幸せになること以外やらない」という考え方は、そんな若者にもエネルギーを与える考え方ではないでしょうか。一点の曇りもない経営と言えそうです。

 保険という規制の多い枠組みの中でそれを実現していくのは大変なことかもしれません。しかし、それを実現した時、明らかに差別化された代理店が出来上がるようにも思いますが、いかがでしょうか。

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