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め・て・みみ~業務品質評価指針、生成AI、代理店経営の本質テーマにーRINGの会27回オープンセミナー開催
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2026年07月14日
【ニュース】
RING(リスクマネジメント・インシュアランス・ネットワーク・グループの略)の会の第27回オープンセミナーが7月11日にパシフィコ横浜国立大ホールで「本質」をメインテーマに開催された。 同会は、1997年に全国の意欲的なプロ代理店経営者とそれを支援する専門家の情報交流・保険文化創造を掲げて誕生し、自主財源・企画・手作り運営によるオープンセミナーも1999年以来今回で27回目、横浜みなとみらいのパシフィコ横浜国立大ホールを会場に、展示ブースなど含め総勢で1700名と過去最高の参加者となった。マリンロビーを使っての展示ブース出展には、保険会社や代理店支援など29の企業・団体が参加し、午前9時開場、いずれも盛況だった。 第1回のオープンセミナーが開かれたのは、1999年10月、保険自由化による業界再編の下で、保険代理店の存在価値が問い直されつつあるさなかだった。牧野昇日本FP協会理事長の基調講演の後、保険ジャーナリスト2名による「これからの保険業界」、RINGメンバーによるパネルディスカッション「勝ち残る代理店営業戦略は何か?」という構成で、会場はお茶の水の当時の主婦の友会館、参加者は約250名。2回目以降は会場をパシフィコ横浜の会議センターに移し(うち2回は大阪梅田での開催)、年1回ペースで開催年々参加者が増大(途中2020年は唯一コロナ禍で中断を余儀なくされたが、翌2021年のオンラインでの実況中継開催、2022年のリアル・オンライン併用開催もあったが2023年以降はリアル開催に戻す)する中で会場を国立大ホールに換え今日に至っている セミナー会場の大ホール(3階席まで含め最大約5000人収容)は従来は1階(3260座席)のみ1列置き(奇数列の背もたれを倒し荷物置きスペースとし1670席)に使っていたが、さすがに今回は、それでは足りず、初めて2階席(994席)までの使用となった。 ◇業界展望、業務品質評価指針は代理店経営に何を求めているのか 午前10時30分からの第1セッションでは「業界展望」として、代理店の業務品質自己点検の背景とその本質、保険業界の構造的課題と今後の代理店のあり方について、損保会社経営、監督官庁、代理店業界団体とそれぞれ異なる立場で造詣の深い、栗山泰史(RINGの会理事・アドバイザー)、成島康宏(元金融庁検査官)、野元敏昭(Hands‐onコンサルティング)の3氏をパネラーに迎え、小規模地域プロ代理店の経営者でもある大城 拓(RINGの会理事、RICA代表取締役)のモデレーターの下で問題の提起がされた。 各パネラーから提起された課題の概要は次の通り 損害保険業界の「非常識な商慣行」を是正するため、業界自律と金融庁の検証という新体制が始動。代理店に求められる「体制整備義務」は、単なる規制対応ではなく、顧客本位のプロフェッショナルな組織へと変革するための経営基盤。 ビッグモーターの代理店登録取消の核心は「ガバナンス不備」であり、体制整備義務の重要性を示している。 自己点検チェックシートがその羅針盤となるが、形式主義に陥らず、現場が趣旨を理解し、管理者が証跡を確認し、経営者が課題を改善する等実質的なPDCAを回すことが重要で、減点を恐れず弱点を把握すべき。実態と異なる報告こそが問題の核心で、自己点検が、趣旨を理解しないまま回答を埋めるだけの形骸化したものになることを最も危惧している。経営陣と現場の認識ギャップは管理体制の脆弱性の表れ。保険会社社員による評価を意識した回答誘導は「もってのほか」であり、正直に課題を報告する代理店こそ健全と評価すべき。誠実性や能力を欠く「不適格な代理店」は市場から退場もやむを得ない。 自己点検による業務品質の向上は成長につながるかでは、自己点検は「最低基準」であり、達成が即成長に繋がるわけではない。市場参入の前提条件と捉えるべき。 体制整備は顧客のためになるかについては、ミス防止に加え、品質や価値の再現性を担保する組織的基盤となる。属人的なサービス品質のばらつきを抑え、代理店全体の信頼向上に繋がる。 規模を求める代理店の増加傾向については、形式的な規模拡大が本質ではない。重要なのは規模に応じた統制力。手数料目的の安易な統合は中身のない組織を生むだけであり、避けるべき。 保険会社と代理店の関係は、保険会社の販売下請けという主従関係から脱却し、顧客のリスクマネジメントを担う存在であり、顧客を中心に据えた対等なパートナーシップを再構築することが、業界全体の持続的発展に不可欠、体制整備はそのための「攻めの手段」である。評価軸は売上から「顧客からの信頼」へ移行し、代理店も理念を共有できる保険会社を選ぶ時代になる。 保険会社の社員の役割は、商品推進者から「代理店経営の伴走者」へ転換する。代理店の理念を尊重し、自立を支援するリソース提供が役割となる。 最後にこれからの業界へのメッセージとしては、「体制整備という基礎を固め、独自の技を磨いてほしい。今は重要なスタート地点に立っている」(栗山氏)、「 保険会社社員はチェックリストの本質を理解し、代理店と対等なパートナーとして切磋琢磨すべき」(成島氏)、「これからが本当の競争の始まり。プロが技を競い合う業界になることを願う」(野元氏)として締めた。 ◇生成AI活用の最前線 午後1時35分からの第2セションは2部構成で、生成AIが代理店の業務に、どれほどの変革をもたらしているのか、生成AIの本質とは何か、また生成AIとどのように付き合っていけば良いのか、を提起。 保険業界のDXの最前線を扱う「シリーズ生成AI」は3年連続での企画、2024年に生成AIのインパクト予測、2025年に活用実例の紹介を経て、2026年は「シリーズ生成AI パネルディスカッション&対談」として、多くの代理店が生成AIユーザーとなった今、その「本質」に立ち返るテーマ設計となった。 前半パートは「保険代理店における生成AI活用とCRM自動化の最前線」として、最新の生成AIプロダクトの紹介が狙い。中島和明(ベルフェイス代表取締役)、東山勇介(セールスフォース・ジャパンインダストリーアドバイザー第一部部長)が登壇し、モデレーターは永井一郎(RINGの会副会長、dii代表取締役)が務めた。 それぞれの会社の経験と顧客価値志向の原点から、生成AI導入の現状と展望を語った。中島氏は、営業担当者の手入力に依存しないCRMデータ自動入力システム「ベルセールスAI」を紹介し、AIによる自動化でファクトに基づいた顧客データを蓄積することが企業の競争力を左右するとした。 東山氏は、CRM/SFAが単なる記録ツールから、AIが営業活動を自律的に支援するプラットフォームへの変化という未来像を提示するとともに、三井住友カードの法人営業での導入事例の紹介を通じて、顧客情報、競合、過去の取引履歴をAIが自動で収集・要約し、提案準備を大幅に効率化することや、新任が多い部署でAIが提案準備時間を45%削減するなど具体的な成果を示した。 AIと人間の関係性について、中島氏は「AIは人間より賢いパワーショベルのようなツール。営業プロセスの8割は自動化し、人間は顧客に寄り添う時間を最大化すべき。それが顧客のためになり、企業の競争力にも繋がる」とし、東山氏は 「デジタル普及で差別化は難しくなるため、顧客接点の質で差をつけるべき。変化が激しい時代だからこそ「何が変わらないのか」という本質を見つめ直すことが重要。AIは人を置き換えるのではなく、人の力を引き出すものだ」とした。 ◇生成AIとの付き合い方 後半のパートでは、データ分析とリサーチの専門家で著名なユーチューバーで生成AIのヘビーユーザーでもある佐藤舞(合同会社デジタルクリエイト代表、桜花学園大学客員教授)を迎え、永井伸一郎がインタビュアとして軽妙なトークで「生成AIとうまく付き合うコツ」を語ってもらった。 佐藤氏は、生成AIを「パワハラしてもOKな秘書」であり、自身や会社を進化させる存在と位置づけた。AIの確率論的思考は人間の線形思考と異なり新たな視点をもたらすが、その文章は「予測とのズレ」「自己参照性(共感)」「身体性」の欠如から面白みに欠けると分析。宮崎駿監督の『となりのトトロ』における非現実的な「服に鳥肌が立つ」描写は、視聴者の共感を促す天才的な表現手法でありAIには模倣困難な、感情を直感的に伝える人間特有の創造的表現だと指摘した。AIが業務を代替する中、人間の役割は「問いの質」「コミュニケーション」「行動変容の後押し」に再定義され、顧客個々の具体事例に基づく信頼構築が重要となる、とした。 ◇代理店経営の本質ー代理店はどの道を選ぶのか 午後3時35分からの第3セッションは、メインテーマ本質について再編が進む時代に代理店はどんな道を選ぶのかについて代理店パネルディスカッション。為我井康史トライアス代表取締役会長、河内谷泰史EiT保険アライアンス大阪FAP執行役員兼支店長、四宮浩一全力丸代表取締役をパネラーに迎え、モデレータは彦田好之RINGの会オープンセミナー企画部長・トライチャーム代表取締役が務めた。「お客様、社員、地域を守る」の理念の下、業界環境激変の下で、同じ地域の3代理店が、それぞれの強みを活かし合い、弱みを補完しあうためそれぞれの名を捨て統合に踏み出した「トライアス」、大阪で合併・分裂を経験し、地元の顧客の信頼を培ってきたが、人材養成やバックヤードの負荷を減らし強みの行動力で地域顧客支援に集中するため、東京、名古屋、熊本と広域展開するEiT保険アライアンスへの参画を選択した代理店、お客様第一を信条とし「商品を売れば売るほど世の中は良くなる」と、保険会社評価に左右されず、今後とも生保にウエイトを置きつつ小規模単独で顧客を最優先にした営業を堅持する全力丸という、タイプの異なる3代理店経営者に、それぞれの選択の背景にある、熱き思いを本音ベースで語ってもらった。保険会社と代理店の関係が、全く新たな局面展開を迎える中で、代理店として、顧客に徹底的に立脚した進路とは、AIを活用しつつも置き換えにくい人間力の発揮と顧客からの信頼獲得、経営理念・ビジョン、組織の在り方、など、これからの代理店経営の原点について示唆に富む問題提起が出され、また、それぞれのパネラーからの時代への挑戦者としての揺るぎないスタンスに会場から大きな反応もあった。 午後5時過ぎにオープンセミナーは終了。 次回は、2027年7月24日(土曜)、パシフィコ横浜国立大ホールが修復工事で使えなくなるため、パシフィコ横浜多目的複合施設のノースでの開催となる。 (中) |
