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め・て・みみ ~金融庁、「銀行・証券」「資産運用・保険」2分割の背景

2026年08月25日
【ニュース】

 金融庁の新体制が8月7日からスタートした。検査局を廃止した2018年以来8年ぶりの大規模な組織再編を踏まえ、新設する銀行・証券、資産運用・保険の両監督局の局長は、銀行・証券監督局長は現監督局長の石田晋也氏、資産運用・保険監督局長は堀本善雄氏(現総合政策局長)の両局長が担うのをはじめ、局長以上の幹部は軒並み留任するなど、行政の継続性を基本に、経験重視の配置、金融戦略の実現や保険分野などで相次ぐ不祥事をにらみ手堅さの布陣で際立っている。

 金融庁は2018年に検査局などを廃止し現在の総合政策局(市場や金融システムのリスクなどを専門的に分析)、監督局、企画市場局の3局体制に移行。その後監督局に求められる職務が膨らみ職員の4割超にあたる700人が所属する歪(いびつ)化した組織を監督局の2分化・再編は不可避とされてきたためで、主要幹部の留任で再編に伴う混乱を最小限にするなどの配慮も働いた。この間、メガバンクなどの大手行をモニタリングする部署は総合政策局に残していたが、2025年に監督局に移して監督・検査の一体化を完成させた。同年には監督局内に資産運用課を新設した。こうした監督局組織の肥大化から、今回銀行・証券と、先端技術・AI時代を迎え今後ますますイノベーション対応を迫られる資産運用・保険に分離する背景となっている。

 金融庁には守りと攻めの両面で変化し続ける課題に対応する必要性が増している。インフレ下で家計の資産形成の伴走者となる業界の育成が欠かせない。

 今回の再編では、新たな課題へのスピード感のある対応も求められている。政府が7月下旬にまとめ閣議決定した「日本成長戦略」では、成長投資を促進するための金融戦略の施策は、高市早苗政権が掲げる2040年度の250兆円の国内投資の実現に向け、「2026年度末をめどに結論を得て速やかに実施する」と明記した。金融グループ内で銀行と証券会社での顧客の情報共有を制限するファイアーウォール規制の見直しを盛り込み、貯蓄から投資の流れを推進するためには業態を超えた多様な金融仲介プレイヤーの連携を促す意図を盛り込んだ。すなわちブロックチェーンやステーブルコインなど先端技術・AIが不可欠の時代の決済や監督のあり方は関係省庁で先端分野への取り組みを集約する「オンチェーン金融フォーラム」で2027年初めまでに中間整理をまとめる。銀行、証券会社間の情報共有規制の緩和の検討なども議論は難航が予想される。

 金融業界では、米アンソロピックの「ミュトス」に代表される最先端AIの悪用リスクに備えたサイバー対応も求められている。このため、両監督局と連携しマネーロンダリングやサイバー攻撃対応など業種横断の事項を指揮する監督総括審議官を新設したのも注目される。効果的に横串を刺す役割を担うからだ。

 両監督局とも課題山積みだ。金利が上昇する中で預金の獲得に苦しむ地域金融機関のリスク管理も点検が要る。

 保険関連では、顧客情報の漏えいや金銭詐取問題、代理店の社保潜脱・再委託問題等、代理店との関係を含め、保険会社の事業変革を促す必要性が強まっている。

 今回の資産運用・保険監督局のスタートで、金融のイノベーション対応が促進されるとともに、保険・代理店に対する一連の不祥事から業界の信頼回復に向けた業界風土の転換が求められる中で、どのような行政スタンスを示していくのか注目される。(中)

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