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深読み・生保商品考察(73) 新商品2つを深掘り紹介
2025年01月14日
【商品分析】
今回は、昨年12月から今年1月にかけ新発売となった商品のうち、2商品をピックアップして紹介する(イオン・アリアンツ生命とはなさく生命の商品)。 1.イオン・アリアンツ生命 引受基準緩和型医療保険「元気パスポートワイド」 イオン・アリアンツ生命は、2020年5月にイオンフィナンシャルサービスがアリアンツ生命株式の過半数を取得し「イオン・アリアンツ生命保険株式会社」に社名変更、その後、2024年10月にイオンフィナンシャルサービスの完全子会社となる。現在の代表取締役は、野口俊哉氏、2023年7月に代表取締役に就任。アクチュアリーとして各社の新商品開発等に従事してきている。 会社形態が変わって間もない新たな保険会社とも言える。現在発売されている商品は団体信用保険のほか、医療保険「元気パスポート」と今回の新商品「元気パスポートワイド」のみ。全国のイオンモール等に設置の代理店「イオン保険サービス」などを中心に販売展開していくため、今後順次商品を増やすのではと思われる。続いて商品について以下、特徴を紹介する。 ■引受基準緩和型医療保険「元気パスポートワイド」の特徴 https://www.aeon-allianz.co.jp/products/genki-passport-wide/point/ (1)告知項目:2つと少ない。告知項目は以下の通り。 ・3か月以内に医師から入院・手術・放射線治療のいずれかをすすめられたことがありますか ・過去1年以内に入院・手術・放射線治療・先進医療をうけたことがありますか。 ※更に、1年以内の入院手術でも加入できる疾病が多数あり引受が広範囲。一例として、急性胃腸炎、虫垂炎、食中毒・子宮筋腫、子宮内膜症・骨折、脱臼、帝王切開などで1年以内に入院手術があっても加入できる。 (2)契約初年度から満額保障(削減期間なし) (3)シンプルな保障設計(特約は4つのみ) 先進医療・入院一時金・通院(退院後)・骨折保障 (4)骨折保障特約:所定の骨折の治療を受けた場合、一時金5万円または10万円を給付。付加する場合、以下の告知項目が1つ増える。 ・過去1年以内に圧迫骨折、骨粗しょう症、変形性関節症、くる病、骨軟化症で医師の診察・検査・治療・投薬をうけたことがありますか。 (5)その他のメリットとデメリット 【メリット】手術・放射線なし型にすることで入院給付金のみのアップや、入院日額を3000円など最低限にし、入院一時金や骨折の保障を重点に備える方法など、既存の医療保障をカバーする使い方もある。 【デメリット】特約が少ない。とくに、三大疾病一時金特約、保険料払込免除特約がない点が気になるところ。 2.はなさく生命「はなさく変額保険」 https://www.life8739.co.jp/product/hengaku/tokuchou はなさく生命は、2019年に日本生命の子会社としてスタート。順次新商品を増やし、現在は以下のラインアップがある。 ・医療保険「はなさく医療」 ・特定疾病一時金保険「はなさく一時金」 ・引受基準緩和型医療保険「かんたん告知はなさく医療」 ・引受基準緩和型3大疾病一時給付保険「かんたん告知はなさく一時金」 ・収入保障保険「はなさく収入保障」 ・引受基準緩和型定期保険「かんたん告知はなさく定期」 ・引受基準緩和型収入保障保険「かんたん告知はなさく収入保障」 ・がん保険「はなさくがん保険」 そして今年1月より「はなさく変額保険」を次のラインアップとして新発売している。 ■「はなさく変額保険」の特徴 (1)基本プランと、障害・介護プランがある 障害・介護保障特則を付加すると死亡・高度障害のほか、身体障害者手帳4級および要介護1以上でも保険金給付→就業不能時の保障が広い。 (2)有期型と歳満期型がある 年満期10~35年(5年ごと)、歳満期50~85歳(5年ごと) (3)特別勘定は10種類 (4)保険料払込免除特約の範囲が広い 特定8疾病で以後の保険料払込み免除:上皮内がんを含む「3大疾病」や、慢性腎不全・糖尿病を含む「特定8疾病」等により所定の事由に該当した場合。払込免除後も、保険料払込みがあったものとして、保険期間満了時まで保障や資産形成が継続。 (5)その他の特徴 引受範囲が広い(一般的な告知項目であるが、他社に比べ健康状態の引き受け範囲が広いとされている)。また、就業不能保障、および払込免除の範囲が広い。 以上、参考にして頂ければと思う。 (保険ジャーナリスト・inswatch発行人) |