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め・て・みみ

2024年06月03日

業界慣行の見直しで代理店評価どう変わる

 現在開催中の、金融庁・損保の有識者会議で、顧客本位の業務運営の徹底化と適正な競争環境の整備で、業界慣行、業界風土のルール・制度・監督などの在り方の見直し論議が活発化している。第4回の会議は6月7日に開催されるが6月中には検討結果がまとめられる。

 論議の中で出てきたのが、一連の保険金不正請求問題や保険料調整問題の根っこにあるのが業界が長年培ってきた営業至上主義による顧客軽視の姿勢、保険会社と代理店の力関係の変化、とりわけ大規模代理店は、保険業法が想定する保険会社による代理店の管理・指導・監督では対応できなくアンコントロール状態にあり、これをどうするか、政策株の保有や本業支援、代理店手数料ポイント、企業代理店のあり方、とくに特定契約比率に関する特例措置の存続廃止問題などだ。 大規模代理店へのチェックについては代理店品質評価の第3者機関の設立検討が実効性の担保も含め提起されてもいる。こうした一連の論議や改革の方向性が、ルール化、制度改革がなされると、当面主たる対象となっている大規模代理店にとどまらず、すべての代理店にも影響する改革になることは注目しておく必要がある。保険会社の経営戦略の変更、保険会社と代理店の関係変革、保険会社の代理店政策の転換、損保代理店の評価、業務品質、代理店手数料ポイント制度など従来の代理店政策そのものの変更につながる側面を有するからだ。

 こうした中で、損保各社においても営業優先の従来のスタイルを変える動きが活発化している。トップラインの収保を優先する評価の仕方を社員・代理店共に止め、業務品質についても基準を充実・拡大・明確化し、従来の規模や増収面を重視した取り組みから、顧客本位の業務運営や社会的課題解決、DXへの取り組みなどを加味し評価制度への転換をはかりつつある。 また営業予算の建て方面でも従来の目標管理方式を改める方式を模索するところも出てきており、まさに旧体制をアップデートする動きが活発化している。

 今後代理店手数料ポイント制度もどのように変更されていくのか、規模・増収基調できたこれまでのありかたから、業務品質の要素を重視するとしてその中身がどのようなものになるのか、注目される。

   (中)

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