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保険、一歩ずつ(170)「慣行(コンダクト)」を廃した後のアンダーライティング(その3)

2025年03月04日
【コンプライアンス】

 月1回の連載にも関わらず、同じテーマでの第三回目を書き始めています。読者の皆さまにとりましては、「過去の二回の内容は何だったか・・・」ということになると思います。本当に申し訳ありません。

 第一回目は問題意識を中心に記しました。政策株式や本業支援といった本来の保険の価値とは関係のない要素が企業の保険選択に大きな影響を与え続け、今般、ついにこれにメスが入りました。しかし、わが国の損保業界において、企業物件に関する「ガチンコの商品と価格の競争」が適切にできるのだろうかという疑問が本テーマの原点です。そして、それを妨げる要因の一つとして「Cross Subsidization(内部補助)」を挙げました。つまり、ある保険の赤字を他の保険の黒字で補てんする「総合的収支管理」という「慣行(コンダクト)」で、これを排除することは重要な課題です。

 第二回目は過度の競争による損保会社の破綻という「黒歴史」とそれを克服するための料率算定会制度を取り上げました。そして、1998年の保険自由化の際に、本来、損保事業における約款と料率に関する共同行為のあり方とそれに関するグローバルな流れを踏まえた議論が行われるべきところ、それがないまま現行の自動車・火災・傷害保険に関する純率アドバイザリーという制度が1998年から現在に至るまで30年近く続いていることを指摘しました。


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