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【め・て・みみ】保険特化型生成AIのGAIL 

2025年03月04日
【ニュース】

 いま、生成AIを使ってのビジネス変革が大きなテーマとなっている。こうした中で保険業界でも、どの分野で生成AIをどのように活用していくかの検討真っ盛りといったところだろう。こうした中で注目を集めているのが米国の銀行・保険分野に特化した生成AIのGAIL(本社:米フロリダ州マイアミ)だ。

 世界のスタートアップ企業動向紹介のメディアの「TECHBLITZ」(テクブリッツ)(2月25日配信)では「アメリカの「保険免許試験」にも合格 専門家レベルの知性持つ保険特化型生成AIのGAIL」という、マシュー・ベガ・サンズGAIL共同創業者兼社長インタビュー記事がアップされており、それを手掛かりに紹介する。https://techblitz.com/

 保険会社などの業務は多岐に渡るが、具体的な使用例は、顧客から保険会社に対して「金融商品についての質問」「見積もり依頼」「災害時の請求依頼」「支払い支援」などの問い合わせがあった際、GAILが正確に、素早く返答する、というものだ。これらの音声業務に加えて、保険商品の対象業界ごとの引き受け文章も作成する。GAILは日本語を含む4ヵ国語(ほかに英語、スペイン語、ドイツ語)に対応し、「専門家」と同等レベルの知能を持った生成AIで、顧客からの要望に対して音声・テキストで瞬時に正確に答えるというものだ。

 この際、文章作成や顧客対応は規制や法律に対応したものでなければならず、煩雑を極めるが、GAILは保険業界の規制や各国の金融関係の法律をくまなく学習し、専門家と同等レベルの正確性を誇る。また、顧客企業が求めるものと自社の商品との適合性を瞬時に把握し、顧客が本当に必要な保険をレコメンド(推奨)することも可能、としている。

 実際、GAILはアメリカのフロリダ州など複数の州で「保険免許試験」(日本でいう保険募集人資格試験)に合格している。つまり、GAILは規制の厳しい保険業界における「保険のプロ」といえる。これを成し遂げられた理由は、「良いプロンプト(質問、指示)を大量に学習させたこと」にある。生成AIのモデルがいくら優れていようと、回答が的外れであれば、良いエージェントにはならない。優れた回答を引き出すためにGAILでは業界経験に裏打ちされたユースケースを大量に学習させた、という。

 例えば「請求書作成を依頼した顧客の属性や企業規模、保険商品の種類を考えたときに“世界最高の保険代理店ならどう返答するか”」という視点を入れている。顧客の潜在的なニーズに合わせて、個別のシナリオを瞬時に構築し、「痒いところに手が届く」返答が可能になっている。

 GAILの活用の眼目は、このように定型化・標準化・自動化できる業務プロセスの作業を引き受けることで全体的な生産性を向上させ、代理店が顧客関係や高付加価値サービスの提供に集中できるように支援することにあるとしている。 (中)

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