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め・て・みみ~職人型経営の限界を超える鍵は、「経営の仕組み化」― 長期伴走型コンサルのブレインマークスが提唱
2025年06月03日
◇顧客を守るには、経営の仕組みが必要不可欠 保険代理店が真に顧客を守るためには、「保険を売る力」だけでは不十分だ。これまで業界全体では、保険会社のチャネル政策が「いかに契約を取るか」に重きを置いてきた。その影響で、代理店経営者も営業スキルや人脈に頼る“職人型経営”にとどまりがちで、自らの事業を顧客視点で再設計する「経営の仕組みづくり」は後回しにされてきたのが現実である。 こうしたなか、株式会社ブレインマークス(本社:東京都中央区、代表:安東邦彦氏、スタッフ22名)は、中小企業・ベンチャー企業支援に特化したコンサルティング会社として、特に保険代理店の経営支援において高い評価を得ている。 同社が提唱するのは、社長が現場から離れても事業が持続的に成長できる“仕組みで動く経営”であり、それこそが顧客本位の代理店経営の基盤になると訴えている。 ◇営業職人からの脱却には、「仕組みで経営する力」が不可欠 多くの保険代理店では、社長自身が営業の最前線に立ち、誇りと情熱をもって顧客に尽くしている。しかし、成果が“社長個人の営業力”に依存している限り、事業には必ず限界が訪れる。実際、収保2~3億円あたりで頭打ちになるケースは多く、社長の稼働量がそのまま会社の成長上限になってしまっている。 この限界を超えるには、「組織で成果を出す力」、すなわち経営の仕組み化が不可欠である。人を採用し、育て、チーム全体で価値を生み出すためのマネジメント技術を学び、自社に実装していくことが求められる。 しかし現実には、組織づくりのノウハウを学ばないまま人数だけを増やし、“個人事業主の集合体”にとどまってしまっている代理店も少なくない。その結果、社長の負担が増える一方で、組織の力が育たず、経営は安定しない。 今こそ、営業職人ではなく「経営者」として、仕組みで動く“自走型の代理店経営”への転換が求められている。 ◇経営の仕組み化に至った原点 ― 自身の失敗とガーバー理論との出会い ブレインマークス代表・安東邦彦氏が「仕組み経営」の重要性に気づいた背景には、自らの苦い失敗体験がある。2001年、同氏はコンサルティング会社を創業し、最前線で現場に立ち続けながら事業を急拡大させた。だが2008年、社員の大量離職、サービスの質の低下、顧客クレームと契約解約の連鎖により、事業は崩壊寸前に陥る。 「必死で働いてきたはずなのに、社員に見放され、クライアントにも信頼されない」。その現実に深く打ちのめされたという。 そんなとき出会ったのが、米国のマイケル・E・ガーバー氏による『E-Myth Revisited(邦題:はじめの一歩を踏み出そう)』だった。そこには、30人以下の中小企業が陥りやすい失敗の構造と、「ビジネスは人ではなく“仕組み”で動かすべき」という考え方が明快に説かれていた。 「この本にもっと早く出会っていれば、あんなに苦しまなくて済んだ」。そう痛感した安東氏は2010年に渡米し、ガーバー氏の経営トレーニングを受講。その知見をもとに日本の中小企業向けに仕組みを再構築し、ブレインマークス独自の経営支援手法として展開してきた。 2024年には、こうした長年の実績と技術力が認められ、ガーバー氏本人から日本唯一の「スモールビジネス・コンサルティング」ライセンスを授与された。 ◇代理店が直面する6つの共通課題 保険代理店の経営者が抱える代表的な課題には、次の6つがある。 1)収保の大半を社長自身が稼いでいる 2)社員に自主性がなく、モチベーションも低い 3)業績に本気で向き合っているのは社長だけ 4)代理店組織に一体感がなく、個人主義でバラバラ 5)若手社員が成長せず、定着しない 6)若手人材が採用できない こうした課題を解決するために、ブレインマークスでは10年かけて「マネジメント・オートメーション・プログラム(MAP)」を開発。この独自メソッドは、「組織づくり」「人材育成」「事業の独自性」の3軸から構成され、属人的な経営から再現性のある成長型経営への転換を図るものである。 支援は1)個別コンサルティング、2)経営塾(MAPマネジメントスクール)という2つの形で展開。なかでも年2回開講される経営塾は、毎期50社・100名が参加し、経営の設計図を描きながら他業種の経営者と学び合う実践的な学習の場となっている。 ◇多様な業種に共通する“経営の本質” MAP参加者は保険代理店だけでなく、建設業、医療介護、小売、IT、士業など幅広く、異業種交流も活発だ。「業界は違っても、経営者の悩みは驚くほど共通している」という声が多く寄せられている。 ブレインマークスの支援実績は500社以上。クライアントの業種構成は、保険代理業24%、建設業24%、医療・介護16%、小売12%、IT10%、士業・コンサル9%、不動産など5%と多様で、平均支援期間は3年。5年以上の長期支援率は40%を超え、最長で10年に及ぶ企業もある。 同社の特徴は、創業期(収益を稼ぐ力)→成長期(方向性とリーダーの育成)→成熟期(権限移譲と仕組み化)という成長フェーズに合わせて“外部参謀”として伴走する、長期支援スタイルにある。 ◇DX・AIへの挑戦で未来を先取り 中小企業を取り巻く経営環境は、生成AIの進化などにより大きく変化している。ブレインマークスでは、こうした変化を“危機”ではなく“チャンス”と捉え、DXを経営革新の中核として位置づけている。2024年には株式会社アストラカンとの提携によりブランディングを刷新。ロゴ・Webサイトの全面改訂を行い、自社のビジョンと価値を再定義した。http://www.brain-marks.com/ さらに社内ではNotionを活用した業務ナレッジの蓄積とAIによる業務効率化に着手し、20~30%の業務自動化を目指している。これらの取り組みは、今後クライアント支援にも還元される予定であり、2025年度中には人事評価クラウドのリリース、大阪支店の開設も控える。将来的には、経営支援クラウド・人材育成システムの展開も見据えている。 ◇“営業力”ではなく“経営力”が問われる時代へ いま保険代理店に求められているのは、営業スキルだけではなく、経営を仕組みで動かす力である。職人型の限界を超え、社員が育ち、組織が自走する代理店経営へ。ブレインマークスは、その転換を支援する唯一無二のパートナーと言えそうだ。 (中) |