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お客様に寄り添うための、認知症の基本知識(3)
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2025年08月26日
【プロの視点】
*この連載では、認知症を遠ざけるために、わかりやすく・すぐに実践できる習慣や知識をお伝えします。 「運転を安全に長く続けるには、認知機能の維持が重要!」 警察庁統計によると、2022年には65歳以上の高齢者が第一当事者となった交通事故は全体の15.2%、2023年も""15.4%""とほぼ同水準で推移しています。割合としては直近2年とも15%台で落ち着いていますが、他の年代と比べると依然として高い水準にあります。 年代別にみると2023年は20代が約18%、30代が約14%、40代が約12%で、65歳以上は15%超と若年層に匹敵する割合を示しています。 10年前の2013年は高齢者が約16%で、当時の20代(約23%)、30代(約17%)より低い水準でした。 しかし2023年には高齢者は15%台で横ばいを維持する一方、20代・30代は減少し、構造が大きく変わってきています。 「かつては若者中心だった事故が、近年は高齢者と若年層が同程度の割合を占める構造」へ変化してきたのです。 2023年データでは、高齢者事故の人的要因の約81.0%が「発見の遅れ」で、注意散漫や脇見、考え事による認知の遅れが主因です。次いで「判断の誤り」約9.3%、「操作上の誤り」約9.4%。 違反内容では""「安全確認不足」37.8%、「交差点安全進行」16.6%、「前方不注意」11.6%、「操作不適」7.6%""と続きます。 車の運転は""「認知・判断・操作」の繰り返しです。周囲を把握する注意力""、とっさの判断力、距離感をつかむ視空間認知力、道を覚える記憶力など、脳の前頭前野をフル活用します。加齢に伴い、これらの認知機能は低下し、加えて視力・聴力、操作に必要な筋力も衰えます。ヒヤリとする場面が増えたら、運転能力低下のサインです。 認知機能の衰えがどのように具体的な運転スキル低下や事故リスクに結びつくのかを紹介します。 1.標識を忘れて逆走 短期記憶が弱まると直前に確認した標識をすぐ忘れてしまいます。たとえば「一方通行」を見たのに、信号待ちの間に忘れて逆走してしまうケースです。 2.信号変化に反応が遅れる 注意力や判断の切り替えが衰えると、信号や周囲の動きを把握するのに時間がかかります。青信号で発進が遅れ、慌てて進入して出合い頭事故になることがあります。 3.歩行者や自転車を見落とす 情報処理力が低下すると「信号」「車」「歩行者」を同時に確認できず、右折時に歩行者や自転車を見落とす事故が起こりやすくなります。 それでも、生活の質を維持するために運転を続けたいと考える方は多いでしょう。長く安全に運転するためには、運転に必要な認知機能を鍛え続けることが不可欠です。 東北大学加齢医学研究所の研究では、平均72.4歳の高齢者に1日20分の脳トレアプリ(計算や処理速度を鍛えるゲームなど)を継続してもらい、その前後で運転技能や認知機能を測定しました。結果、処理速度や抑制能力が向上し、運転技術も改善することが確認されました。 さらに、国立長寿医療研究センターの研究では、運転を続ける高齢者は運転をしていない高齢者に比べ、認知症リスクが約40%低いと報告されています。運転は脳への日常的な刺激となり、予防効果が期待できます。 【保険担当者ができるサポート】 ・更新時に「最近、運転で気になることは?」と声をかけ、変化の兆候を察知 ・認知機能検査や高齢者講習、地域支援サービスの情報提供 ・本人や家族が不安を感じたときに、専門医受診・免許返納・卒業後の生活設計を提案 ・認知機能維持の具体的トレーニング方法を案内 日々の声かけと情報提供が、""お客様の「運転の長寿」と「安全」""を支える大切な役割です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 約1分セルフチェック「運転脳力チェッカー」 https://neu-brains.co.jp/solution/brainfitness/driving_checker/ 運転に必要な認知機能を約1分でセルフチェックし、即座に結果を表示。定期的な確認やイベントでの活用に最適です。脳トレと組み合わせれば、より効果的な安全運転の支援が可能です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 次回は、第4回「今の過ごし方が将来を決める 脳によい生活をチェック」をお届けします。 (株式会社NeU ブレインフィットネスユニットマネジャー・認知症予防専門士)https://neu-brains.co.jp/ |
