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深読み・生保商品考察(78)熱中症保険の動向
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2025年10月07日
【商品分析】
猛暑の夏が終わりかけてホッと一息であるが、東京では最高気温29度の日があるなど10月に入っても暑い日があり、熱中症のリスクはまだ続く。 昨年、スマホの決済アプリPayPayから加入できる熱中症保険が話題となったが、今年は同様の保険が複数社から発売になり、更に今年の記録的な猛暑を受けて大人気の模様である。そこで今回はこれらの熱中症保険について検証する。 ◇既存の生命保険や損害保険で熱中症をカバーする保険 既存の生命保険のうち、医療保険では、熱中症で入院をすれば入院給付金が支払われるが、通院のみの場合は給付金はない。 死亡保険では、熱中症で死亡した場合、死亡保険金の対象となるが、災害割増特約などケガによる死亡時の割り増しについては対象外となる。熱中症は病気、とも言える。 続いて損害保険では、傷害保険と国内旅行保険の一部で、熱中症を対象とする商品がある。つまり各社および各商品によって対応が異なる。 【大手損保の傷害保険の熱中症補償例】 ・損害保険ジャパン「THE カラダの保険(熱中症補償自動付帯)」:25年1月1日より、THE カラダの保険(傷害保険、子ども保険、ゴルフ保険など)に自動付帯。 ・三井住友海上「GKケガの保険シルバー(パーソナル生活補償保険)」:傷害保険の「充実プラン」でのみ、熱中症が給付対象。 ・東京海上日動「トータルアシストからだの保険(熱中症特約)」:25年10月1日以降から、熱中症特約を付帯できる。3つのプランから選択。 【国内旅行保険における熱中症の補償の例】 ・東京海上日動:熱中症の補償が含まれる ・ジェイアイ傷害火災(t@biho国内旅行):熱中症危険補償特約あり ・損保ジャパン・三井住友海上:対象外 ◇話題の熱中症保険の保障内容と注意点 この商品がカバーするのは「熱中症による点滴治療」と「熱中症による入院」で、両方とも一時金が支払われるのが特徴。10月末まで加入できる。 本人だけではなく、0~99歳までの家族(配偶者・子・父母・義理父母)も加入させることができるので、熱中症になりやすい子どもや高齢の両親などを含めて申し込めることも特徴(保険料は個々にかかる)。 熱中症保険の注意点をまとめると以下の通り。 1)熱中症で通院しても、点滴を打たないと治療保険金は請求できない。 2)入院保険金は、1泊2日以上の入院でなければ支払われない商品が多い。 3)入院中に点滴治療した場合、治療保険金と入院保険金の両方請求できる。 4)治療保険金と入院保険金は、両方とも一時金である。 5)各保険金は、同一の治療に対して、日型の場合は各1回まで。月型の場 合は商品により各1回と各2回まで。 6)死亡保障はない。 ◇代表的な5商品の比較検証 代表的な熱中症保険をピックアップすると以下の5商品がある。 ・熱中症お見舞い金(アイアル少額短期保険・住友生命保険) ・ドコモの熱中症お見舞金保険(Tokio Marine X少額短期保険) ・熱中症のほけん(楽天少額短期保険) ・デジホの熱中症保険(第一スマート少額短期保険) ・熱中症・インフルエンザ保険(ニッセイプラス少額短期保険) 各社の詳しい保障内容と比較表はこちら。(筆者作成) https://www.inswatch.co.jp/backnumber/contents/2025img/20251006morita.pdf また、各社商品の違いや特徴をあげると次の通り。 ◎アプリから加入できポイントで支払えるのはPayPay、d払い、楽天。 ◎救急搬送時の保障があるのはd払い。 ◎ニッセイプラス は熱中症とインフルエンザの1年保障(他社では冬の季 節に別途インフルエンザ保険が出る場合が多い)。 ◎入院保険金は1泊2日以上の入院が対象(※ニッセイプラスのみ入院1日 で支払われる)。 なお、詳しい内容をダイヤモンド保険ラボでも執筆しているのでご参考に。 https://diamond.jp/articles/-/373809 (inswatch 発行人) |
