ゲストさん   
 
【inswatch記事カテゴリ】
inswatch新着記事 一覧はこちら

め・て・みみ ~がん患者支援にマネックスが生保の買取サービス開始

2024年07月23日
【ニュース】

 マネックスグループは、7月11日、子会社のマネックスライフセトルメントを通じ、新サービスとして「マネックスの保険買取」の提供を開始すると発表した。新サービスは、生保契約の解約を検討しているがん患者は、医療データを利用した同社の精密な査定を通じて、自分の生保契約を解約返戻金よりも高い金額で売却することが可能となる。同社は、このサービスを通じて、がん患者がより良い治療を受け、また、生活環境の充実を図ることを支援していく、としている。

 また、このサービスを利用する患者ががんから快復された際には、保険契約を一定の条件の下で買い戻すことができる場合がある。一般的に、がんを経験されると快復されたあとに生保に加入しようとしても保険料が高くなったり、保険への加入ができなくなったりする場合があるが、患者は、このサービスを通じて以前の加入時と同条件で生保を再開することができる。

 同社では、新サービスを通じて、がん患者のQOL(Quality of Life)向上の一助となれば、としている。

*新サービスのウェブサイト https://life-settlement.monex.co.jp/

 これまで、がんに罹患された方が生保契約を継続することが難しくなった場合は、生保を解約するしか選択肢がなかった。そこで、同社では生保契約を解約返戻金よりも高い金額で買い取ることにより、がん患者がより有利な金額で保険を手放すことができるよう、新サービスの提供を開始した、としている。

 欧米では生保の買取サービスはLife Settlement, Viatical Settlementとして普及しており、米国ライフセトルメント協会によれば、2022年の買取金額の平均は解約返戻金の約5倍になるとの調査がある。社会的にも保険契約者にフレンドリーなサービスとして受け入れられており、日本でも保険契約者保護の一環として、保険買取サービスの普及を図っていく、としている。

 「マネックスの保険買取」サービスの概要は以下の通り。

・がんに罹患し、収入の減少や治療費・生活費の増加により、保険料を払い続けることが難しくなった、または解約により一時金を得たいと考えたなどの理由により、生保を解約しようと考えている方に対して、解約返戻金よりも高い金額で生保契約を買い取るサービス。

・生保買取契約が締結された時点で、同社が買取金額を一括で支払う。保険料も同社で代わりに負担するので、原則としてがん患者は同社への売却後は保険会社への保険料の支払い等の支出は発生しない。

・がんから快復された際には、その時点での解約返戻金を支払ってもらうことで、同社の同意のもと、契約を買い戻すことが可能な場合がある。一般的に、がん罹患経験がある場合には生保に入れなかったり、保険料が高くなったりしてしまうが、同社から買い戻すことで加入当初の条件で生保契約を継続することが可能となる。

 同社では、提供する保険買取サービスは、1)がんの治療費や生活費のためのまとまった資金が必要、2)保険料負担が重くこれ以上保険を継続することが困難、3)家族に資産を残す必要がなく自身で有意義に利用したい、などの今すぐに保険を解約する理由がある方に向けたサービスとしている。

 通常は、保険を解約せず、最後まで契約を継続した場合のほうが金銭的には有利になることが多くなるので、本当に今すぐに保険を解約・売却する理由があるかどうか、考えてほしいとしている。

 また、現在加入中の保険契約で、今すぐに保険金を受け取れる仕組み(リビング・ニーズ特約や重度がん保険金前払特約など)が利用できないか検討してほしい、と注意を喚起している。

 同社が保険契約の買取りをする際には、家族等や現在の保険金受取人の方などの関係者の同意が必要で、関係者の同意が得られない場合は買取りができない。

 契約日から2年以上経過していない契約はお買取りできない、としている。

 (中)

Copyright© 有限会社インスウオッチ,All rights reserved.