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【め・て・みみ】損協、業務品質評価の第三者検討や手数料ポイント制で進展
2024年10月08日
【ニュース】
損保協会の従来の商慣習見直しの動きが急ピッチで進みつつある。今回は業務品質重視に向けた取り組みを取り上げてみよう。 金融庁有識者会議の報告書では、大規模代理店に対して保険会社の管理・指導が十分機能しておらず、力関係の変化を踏まえ、保険会社の代理店に対する管理・指導を補完するために第3者機関による業務品質評価基準策定の必要が提起されている。損保協会は、これを受けて、保険代理店の業務品質を確保するため、第三者の視点を取り入れた業界共通の業務品質評価基準と、その基準を実効的に運用する体制の検討に着手。 具体的には、保険代理店の業務品質を中立的な第三者が公正かつ適正に評価できる仕組みの構築に向けて、同協会内に「代理店業務品質評価に関する第三者検討会」(大学教授、弁護士及び消費者団体の5名、オブザーバーを金融庁及日本代協)を設置し、第1回検討会を本年9月25日に開催し、1)運営、2)代理店業務品質に関する評価指針、3)対象代理店について今後、議論が進められる。 1)の第三者評価制度の運営については、損保協会内に「代理店業務品質評議会」の立ち上げが検討されており、保険会社と代理店と利害関係のない中立的な第三者で構成されることが議論されている。 2)の評価指針については、骨子案*が公表されており、同指針は代理店における自己点検チェックや保険会社の代理店監査でも参照される想定で作成され、生保協会の「代理店業務評価運営」を参考に作成されることが議論されている。 骨子案では、意向把握義務・情報提供の履行状況(意向把握義務や情報提供の確認、推奨販売の商品別選択理由の確認など)につきどのように具体化されるのかが議論される。 3)の対象となる代理店については、特に大規模な代理店(保険業法施行規則236条の2で規定の規模の大きい特定保険募集人、業態ごと=生・損・少短15社以上乗合、または、2社以上乗合で売上手数料・報酬等が10億円以上、帳簿書類の備え付け義務と事業報告書の提出義務がある)は代理店業務品質評議会(第三者機関)が評価はオフサイト中心で実施、この中でより厳格な体制整備が求められる代理店はオンサイト評価(現場審査)で実施するなど、その要件は別途整理される予定だ。 それ以外の代理店は保険会社が評価の主体(代理店による自己点検チェックの結果を確認、指導)となって実施、損保協会でもその結果をフォローアップし第三者評価の制度運営に活用することが議論されている。 金融庁有識者会議の報告書では、代理店手数料ポイント制度に関して、1)「規模・増収」に偏ることなく「業務品質」を重視すること、2)「業務品質」の具体的な指標について、損保会社の事務効率化ではなく、顧客にとってのサービス向上に資するものとすること、の2点の検討を求めている。 代理店手数料は、損保会社と代理店の間での協議・合意により決定されるものだが、すべての会員・損保会社が、自社における制度有無に関わらず、【顧客本位の業務運営を推進する観点から、「規模・増収」に偏ることなく、顧客にとってのサービス向上に資する「代理店の業務品質」を重視した代理店手数料ポイント制度とする】という考え方に賛同することを、9月19日開催の損保協会理事会において確認した。 これに基づき、今後、各損保ではそれぞれ独自に代理店手数料ポイント制度の改定に取り組むことになる。 (中) |