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め・て・みみ ~2026年は代理店市場が新たなステージに

2026年01月06日
【ニュース】

 2026年は6月に保険業法改正が施行となる。すでにそれに向けた監督指針も2025年5月12日公布されたものはパブコメ結果を踏まえ同8月28日に有効となり、同12月17日に出された内閣府令(施行規則)や監督指針も春までには1月30日締め切りのパブコメ結果を踏まえ有効となるところから、いよいよルール関連の細目も明確化していくことで方向性は明確になりつつある。

 有識者会議報告や改正金融商品サービス提供法、保険業法改正の眼目は、長年常態化してきた業界の商慣習の在り方が、顧客の軽視や不適正競争を生んできたこと、その構造的な変革を求めるものであった。とりわけ、保険会社と代理店間の歪んだ取引慣行などその在り方が問題となり、また規模の大きな代理店の出現による保険会社の代理店統制上の問題や過度の便宜供与、出向等の問題が不祥事の源泉となってきたことなどの是正措置が求められるところとなった。

 こうした中で、PDCAを働かせ保険会社ないし保険業界が自主的に取り組むべき課題と監督法制の改正を踏まえて変更するものとを区分けしながら対応が求められたのだった。

 今回の保険業法改正関連で、何が変わるのか。保険会社の統制の効きにくい代理店(例えば保険手数料20億以上の大規模特定損保代理店、ないし生保代理店)には、新たな厳格義務が課されることとなり、例えば営業店ごとの法令等遵守者の配置や本部に法令順守等統括責任者を置くことなども求められる。大規模代理店や企業内代理店に対しては自主性も求められ、過度の便宜供与の禁止や営業支援出向の禁止、比較推奨販売面での顧客意向徹底、実務能力に応じた代理店手数料への変更など、保険会社の対応も様変わりする環境となる。規模が大きくても実務能力がなく、また保険会社依存が高く自主性に欠ける代理店はいずれ市場から撤退も必至となる環境の到来である。

 こうした代理店規制厳格化の中でも、保険会社の統制が効かない大型代理店対策として損保協会内に第3者機関による業務品質についての業界共通基準が設けられたが、これは一般の専業代理店も含めすべての代理店にも点検チェックシートの提出が求められ、またそれが代理店の手数料ポイントにも大きく影響するところとなる。顧客本位の業務運営面を中心とした代理店の最低品質保証として2026年4月から正式に実施となる。言うなれば品質面での体制整備が完備している=顧客の最善利益勘案義務を担える代理店が顧客から求められるところとなる。

 これらの業法改正関連の変更により、代理店市場の流動化は一気に進みそうだ。保険会社も商品・サービス・価格面の本格的な適正競争環境下に入る。このため、従来の代理店指向型のスタンス、シェア第一主義からの完全脱却が求められ、顧客志向型への劇的切り替えにより、保険会社と代理店の関係もこれまで経験したことのない厳しいものとなることは間違いない。このため、代理店側も、単にコンプライアンスの遵守などの態勢づくりにとどまらず、人材やITへの投資を行い、品質を自主的に高度化し、システムを整備し新たな生産性を向上させるための新たな活路開拓に乗り出さなければならなくなる。プロフェッショナル度の高い、業務品質を備えた組織・体制を完備した代理店が求められる時代に局面が大きく転換する時代に入ったからだ。

 (中)

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