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め・て・みみ ~企業保険市場の適正化との特定契約比率規制の行方
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2026年02月17日
【ニュース】
本年6月1日から施行される改正保険業法関連のルール細目の整備が進む。すでに昨2025年5月に監督指針(いわゆる第一弾)がパブコメを経て8月28日に有効となり、過度の便宜供与などについての運用方針が明確になった。さらに同年12月17日には比較推奨販売(ハ方式の廃止)などに対する監督指針(第2弾)が出され、本年1月30日締め切られたパブコメ等を踏まえ金融庁の方針が待たれる。 残された注目点は、「保険料の実質的な割引・割戻しの防止」及び「損害保険代理店の自立の促進」を目的とした企業内代理店の特定契約比率規制の特例廃止問題等に関する監督指針(第3弾)が待たれるところだ。 特例とは1996年3月31日以前に登録された代理店に適用されてきた経過措置=旧基準(火災、自動車、傷害のみ対象)が、一定(3年程度)の猶予期間を経て新基準(新種を含む)となることと、特定者の範囲が親会社のみならずグループ(親会社の連結の範囲)企業まで拡大されることとなることで、特定契約比率の50%を超えてしまうケースが相当程度出てきてしまうことになるため大きな影響が出てきそうで、企業内代理店にとり厳しい経営選択を迫るものとなる。 一方で、画一的な適用は、例えば専門的な知見を有する企業内代理店の募集実務へのグループビジネス貢献にも悪影響が出てしまうことから、適用除外規定(一定の態勢整備と手数料適正化要件クリア)もあわせ設けている点がポイントで、この例外規定がどこまで活用出来るものなのか、今後の監督指針での運用基準細目が注目されるところとなっている。 有識者会議報告書では、企業代理店市場における課題を、1)損保会社の代理店である一方、顧客企業の子会社であり、その立場は不明確であることから独禁法抵触リスクが増加するおそれ、2)顧客企業の一部門である企業内代理店を適切に指導等できず、代理店業務の代行等の便宜供与も影響し、代理店の実務能力の向上が図られていないおそれ、3)特定契約を一定程度に抑制することが求められているが、この規制が実態に合っておらず、代理店としての自立が果たされていないおそれ、4)企業内代理店は、こうした課題を有していることから、企業保険分野において、保険仲立人や他の代理店と公正な競争が行われていないおそれ、があるとし、企業内代理店の自立を促し、企業向け保険市場における公正な競争環境を確保する観点からの取り組みを保険会社、代理店それぞれに求めている。 この中で、企業内代理店の自立を促す観点からは、特定契約比率規制を見直すことも必要とし、具体的には、比率の計算にあたって、一部の保険代理店の対象保険種目等を限定する経過措置については、近年の賠償責任保険やサイバー保険等といった新種保険の需要増加等の環境変化も踏まえると、現在の企業向け保険市場の実態に即しておらず、一定の準備期間を確保した上で、早急に撤廃するべき、としている。 特定契約比率規制の対象となる「特定者」の対象範囲についても、企業内代理店の実態把握を早急に進め、その影響を分析した上で、例えば、連結決算の対象となるグループ企業の範囲全体へ拡大するなど、そのあり方を検討すべきとしている。 さらに自立が図られたとしてもその立場の不明確さゆえの競争環境の歪みが残るとして、歪みを是正する観点から、保険代理店の果たす役割に応じた手数料体系のあり方についても検討を続けるべきとするとともに、企業向け保険市場の更なる発展を図る観点から、保険仲立人の活用を促進するための施策もあわせて検討を続けるべき、としている。 なお、損保ワーキンググループ報告書では、特定契約比率規制の例外として 1)保険代理店として十分な実務能力を有しており、もって親会社等からの自立が図られていると認められること(一定の態勢整備の要件)と2)企業内代理店が受け取る手数料について、親会社等を保険契約者とする保契約に係る保険料の実質的な割引が生じていないと認められること(手数料の適正化の要件)を満たす代理店を特定契約比率規制の適用対象外とする方向を示している。 一定の態勢整備の要件については、法令等遵守態勢の整備状況や保険募集人の数のほか、その企業内代理店の業務品質や募集人の実務能力を確認できる要件(保険募集人について、企業向け保険を取り扱うために適切な水準を満たす各種資格の保有状況等)を追加するべき、とし、また手数料の適正化の要件については、損害保険会社が企業内代理店の果たす役務を適切に評価した上で、それに見合った手数料を支払うようにする必要があり、当局もこうした取組みを強く促すほか、以下の取組みを進めることで、適正な手数料が支払われるための環境を整備するべき、としている。 今後出される第3弾の監督指針でその細目がどのようになるのか注目される。これにより企業内代理店は、グループ外契約を拡大し規制をクリアし自前で存続を図るか、売却・譲渡を選択するか、廃業等を図るか、特例措置要件を活用するか、厳しい選択を迫られることになり、いずれにしても代理店の流動化局面は避けられない。 (中) |
