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深読み・生保商品考察(74)収入保障+就業不能保障セット商品の動向
2025年04月08日
【商品分析】
収入保障保険は死亡(および高度障害状態)の時に、遺族に死亡保険金(家族に高度障害状態保険金)が給付される。保険金がお給料のように毎月(または毎年)給付されるのが特徴である。 一方、就業不能保険は就業不能時に、お給与のように毎月(または毎年)保険金が給付されるので、収入保障保険と親和性があることで、「収入保障+就業不能保障セット商品」も多く発売されている。なお、これらの商品は、就業不能時の長期保障の給付条件を、主に公的制度とするタイプが多くなっている。 よくある商品比較やランキングでは、収入保障保険の比較となると「死亡保険」がメインであり、また就業不能保険の比較は「就業不能保障 (死亡保障なし)」の比較になるため、「収入保障+就業不能保障のセット商品」自体を比較検証するものが少ない。 そこで今回は「収入保障+就業不能保障のセット商品」をピックアップして検証する。(文末に商品ごとの違いの一覧表へのリンクあり) 2025年3月2日、三井住友海上あいおい生命保険はこのタイプの新商品を発売しており、就業不能時の長期保障の給付条件(以下「同・給付条件」)が現在最も広いため、まずはこの商品を紹介する。 三井住友海上あいおい生命保険の新商品、「&LIFE 総合収入保障Wセレクト」の、同・給付条件の給付条件は以下の通り。
次に同・給付条件が広い商品はネオファースト生命の「ネオdeしゅうほ(障害介護収入保障特則付)」で条件は以下の通り。
次いで、はなさく生命およびFWD生命の商品が、要介護認定1・身体障害者手帳4級を給付条件としている(独自要件なし)。 「独自要件」とあるのは、認定や等級が取得できていなくても、独自の基準で給付するかどうかの違いである。我々専門家にとっては、この違いは無視できない点でもある。 なぜなら要介護認定では40歳~64歳の場合、特定の16疾病でしか取得できず、また公的年金では1年半の待機期間や未払いがあると取得できない、などの条件があるからだ。 この点を「身体障害者手帳」でカバー出来ればよいのだが、うまくカバーできない場合も多い。身体障害者手帳は「症状の固定」がないと取得しにくく、だんだん悪くなる途中や、良くなっていく可能性のある疾患、また神経系の疾患のように人によって症状が異なる疾患などで、取得が難しいケースが多いからだ(なお、こうした場合でも障害年金では等級を取得できる場合がある)。 そのため、就業不能時の長期保障の条件として理想的なのは、公的制度の要介護認定・身体障害者手帳・公的障害年金の3つの制度を網羅して給付条件とし、更に、なるべく独自基準を設けているものが、良いと言える。 上記で紹介した商品以外も含めた、各社商品による給付条件の詳しい違いを、以下で一覧表にしているので参考にしてほしい。 (保険ジャーナリスト・inswatch発行人) |