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GuardTech~協業・共創の現場から(36)大学生のための保険アイデアコンテスト「INID」を始動

2025年04月15日

 日本の大学生のための保険アイデアコンテスト、第1回INID(Insurance Ideathon)が開催されます( https://inid.cien.group/)。

 今回のテーマは「Insurance Innovation」。保険分野のイノベーションに関するアイデア(新商品、AI活用、新たな流通チャネル等)を「創造性と革新性」などあらかじめ定められた4つの基準で審査します。日本の大学の学士過程に在籍する学生により構成された4名以下のチームであることが参加条件で、現在前掲の公式ウェブサイトで参加チームを募集しています(5月1日まで)。決勝大会は6月28日に慶應義塾大学三田キャンパスで開催。優勝チームは8月にシンガポールで開催される世界大会への出場権が得られます。

 INID実行委員会はRIS(全国学生保険学ゼミナール)を中心とした産学連携組織として構成され、私も実行委員として構想段階から関わりました。きっかけは、昨年7月にRISの活動について取材するため、慶應義塾大学商学部の柳瀬典由教授を訪ねた際に、「シンガポールの南洋工科大学(NTU)から保険アイデアコンテストの日本におけるローカル大会開催を要請された。ぜひ実現したいので保険業界の支援・協力を得たい」とお聞きしたことです。

 GAIP(Global-Asia Insurance Partnership)という、非営利の産学官共同の研究機関が資金援助するかたちでNTUと提携して2023年にシンガポール国内で高校・大学生を対象とした保険アイデアコンテストを初開催、翌24年には対象を周辺国のタイ、マレーシア、フィリピン、インドネシアに拡大、さらに25年は中韓に加え欧米の大学からも参加が予定され、事実上の「世界大会」になるものです。

 NTUから、「慶応義塾大が拠点校となってぜひ日本からも参加チームを派遣してほしい」と柳瀬教授に要請があったそうです。ただし、「先進国」の日本はGAIPからの資金援助は無く、シンガポールへの渡航・滞在や国内選抜大会開催などの費用は自前で調達しなければなりません。

 RISの活動はこれまでも保険会社から損保総研や生命保険文化センターを通じて資金援助を受けていますが、世界大会まで約1年間しかなく、準備や手続きが間に合いそうにありません。また、国内選抜大会開催の準備運営のマンパワーも不足しているとのことでした。

 その時の柳瀬教授訪問にはインスウォッチ連載執筆者でもあるhokan社の毎床慶子さんも同行していました。「保険大国の日本が辞退などできない」と語る柳瀬教授の熱い想いに触れ、毎床さんから「わたしたちで支援しましょう」と三田キャンパスからの帰り道でお誘いを受けました。

 毎床さんはその後グループ会社のCIEN社でコンサルティングチームのマネージャーに就任、同社が事務局を担うことになり、柳瀬教授と連携し資金調達や実行委員会の組成運営、審査委員の委嘱など「INID」立ち上げをけん引します。

 私も実行委員のひとりとして立ち上げを支援、インスウォッチとの共催カンファレンス「ホケンノカタチ2025」では、柳瀬教授や毎床さんなど4名登壇のセッションを実施、「INID」のPRに協力しました。

 第1回開催はスモールスタートに徹し、支援決定からわずか6ヵ月たらずで公式ウェブサイトの公開と参加チーム募集開始にこぎつけました。スタートアップや有志コミュニティのエフェクチュアルな能力の高さを改めて認識しました。

(GuardTech検討コミュニティ代表)https://note.com/guardtech2024

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