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深読み・生保商品考察(79)がん保険の動向2025(1)
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2025年11月04日
【商品分析】
がん治療が変わり、がん保険も変わってきた。 ◇入院期間の短期化 がん全体の平均入院日数は、2002年に35.7日、2020年は19.6日と約4.5割減。日帰り手術のみで入院なしなど、がん入院日数は減少の一途である。そのため、旧式のがん保険「診断一時金+入院給付金+手術給付金」の入院給付金には意味がないとの解釈から「がん保険不要論」も飛び出している。 ◇通院治療の長期化 一方で通院治療は長期化しており、手術後は通院にて、放射線治療・抗がん剤治療・ホルモン剤治療を行うのが、現代のがん治療方法の特徴でもある。そのため、長期に渡る治療により仕事に影響し収入減のリスクもある。 ◇「がんゲノム医療」の発展 「がんゲノム医療」とは、がんなどの遺伝子変異を明らかにすることにより、一人一人の体質や病状に合わせて治療などを行う方法。そのための検査「がん遺伝子パネル検査」が、2019年6月より保険診療となる。 また2025年3月から「造血器腫瘍(血液がん)」を対象とした検査が新たに保険適用された。これにより、固形がん(従来から保険適用されている5種類)に加えて、造血器腫瘍向けのパネル検査が実施可能となり、計6種類が保険診療の対象となった。 更に2025年7月、先進医療Aで「標準治療前に進行または再発した固形がん患者に対して標準治療終了前に実施する包括的ゲノムプロファイリング検査」が先進医療会議で了承されている。「先進医療Aとは標準治療終了前」とinswatch/2025年07月21日発行号にて、筆者の 村上賢二氏の記事でも説明があり、これには大きな期待を寄せている。 ◇パネル検査で治療薬が見つかっても、実施率1割以下の理由 その理由について述べると、国立がん研究センターのHPによると2022年6月30日までの集計では、標準治療がないまたは終了が見込まれる患者に対し、がん遺伝子パネル検査の結果に基づき44.5%に新たな治療選択肢が提示され、提示された治療が比較的早期に実施されたのは9.4%であったと報告されている。 半分近く見つかっているのに実施率は1割を切る、その理由について明確にされているわけではないが、費用の問題や、あるいはパネル検査が保険適用になるのは「標準治療がない、または終了した患者」なので、見つかったとしても既に薬剤治療が間に合わないケースなどもあると思われる。 今後ゲノム医療の保険適用範囲が更に広がって早期のパネル検査が可能になることで、遺伝子に合った薬剤治療の実施率が上がることに期待したい。 ◇がん治療の自由診療は高額 検査を受けやすい環境が整い、各自の遺伝子に合った治療薬が見つかる可能性が高まり助かる命が増えるのはいいことだが、その治療薬が日本で保険診療適用外の場合、その治療は「自由診療」となり高額な費用を要する。 ◇近年のがん保険の傾向 これに対して、近年のがん保険は以下のような変化発展をしている。 ・自由診療に対応するがん保険が今年も引続き拡大中。1億まで実費保障商品も複数となっている。 ・まとまった給付金が、数年毎に給付される商品が台頭。1回目の給付条件は「診断確定」であるが、2回目以降の給付条件は各社異なる。 ・近年の傾向として、免責期間(90日)の保険料が発生しない商品が複数登場している。見直しの際に保障の空白期間を作らずに済む点でも有効。 ◇がん予防と保険 保険商品との付帯サービスとして、がん予防サービスも発展している。有料ではあるが割引で利用できるのは大きなメリットと言える。 【付帯サービスのがん予防サービスの例】 ・太陽生命:アミノインデックス検査 ・SOMPOひまわり生命:N-NOSE、サリバチェッカー ・三井住友あいおい生命:マイシグナル・スキャン、パピックス 次回はこれらを踏まえて、がん保険商品を比較紹介していく。 (inswatch 発行人) |
