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【め・て・みみ】組込型保険など生保向けデジタル販売提案へ日本生命動く

2024年05月20日
【ニュース】

 日本生命グループのIT戦略子会社のニッセイ情報テクノロジー(NISSAY IT)と、次世代金融インフラの提供を通して組込型金融を実現するFinatextは、生保向けのデジタル販売プラットフォーム構築で協業する。NISSAY ITが開発するフロントアプリケーションとFinatextが提供するSaaS型デジタル保険システム「Inspire(インスパイア)」を接続したシステムを開発し、生保会社に保険のデジタル販売を提案するためのPoC(Proofof Concept:概念実証)を共同で実施する。

 日本国内でも保険をデジタルサービスに組み込んで提供する「組み込み型保険」の事例が損保を中心に増えているが、生保においては複雑な商品性や長期契約を前提とした顧客体験、迅速な改善が難しいシステムなどが壁となり、損保に比べて保険のデジタル化の難易度が高いという現状がある。

 NISSAY ITは、日本生命グループ各社の情報システム構築で培った生保向けのITソリューション開発に強みを持ち、様々な生保会社のDXを推進している。また今年、グループ内外の企業との共創プロジェクト「Insurtechラボ」を立ち上げるなど、新たなビジネスの創出に取り組んでいる。

 一方、Finatextは、様々な保険商品をウェブサービスやスマートフォンアプリに簡単に組み込んで販売できるSaaS型システム「Inspire」を2020年から提供しており、損保を中心に多数の実績がある。保険のデジタル化を支援する中で培った深い業務理解やセキュリティを含むシステム要件対応ノウハウを活かし、生保向けの提供を強化したいと考えていた。

 両社は、お互いの強みと課題が一致し、この度の協業に至った、としている。今回のPoCを通して保険のデジタル接点においてよりユーザー課題に沿った短期間のシステム導入が可能になる、としている。

 両社が共同開発する生保向けデジタル販売プラットフォームの特長は以下の通り。


・「AWS Amplify」や「Unqork」といったローコードツールと「Inspire」を組み合わせることで、最低限のコーディングでマルチデバイス向けのウェブ申し込みシステムを短期間で構築できる。
・複数のローコード基盤で構築することで、生保会社の要望に合わせたインフラ構成で開発できる。
・ABテスト等の仮説検証活動が実施しやすい基盤が構築できる。
・保険領域のマーケティングやUXデザインに熟達した専門家が、保険会社の状況に合わせて改善および導入をサポート。

 ニッセイプラス少短の導入事例では、顧客フロントに「Unqork」、基幹システムに「Inspire」を採用し、初期導入では9ヵ月、追加商品開発においては6週間~2ヵ月程度でのシステム開発を実現し、スピーディーなビジネス展開に寄与できたとしている。
(中)

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