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め・て・みみ ~比較推奨販売関連などで内閣府令・監督指針案公表
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2025年12月23日
金融庁は、保険業法改正(2026年6月1日施行)関連の内閣府令(施行規則)・監督指針案を12月17日に公表するとともに、パブリックコメントの受付は2026年1月30日までとした。 保険業法改正は、1)特定大規模乗合保険募集人に対する体制整備義務強化、2)特定大規模乗合損害保険代理店に対する体制整備(兼業業務関連)、3)保険会社等に対する体制整備義務の強化、4)保険会社等による保険契約者等への過度の便宜供与の禁止、5)保険仲立人の活用促進に向けた対応等、6)乗合代理店における適切な比較推奨販売の確保(情報の提供に係る規定の改定)からなっているが、今回の監督指針案で、とくに6)乗合代理店における適切な比較推奨販売の確保がどのように扱われるかが最大の焦点だった。 今回の内閣府令(施行規則)案では、代理店の判断によるハ方式が削除され、顧客意向に沿ったロ方式に一本化されたが、これを受けた監督指針案では、比較推奨販売に関連する箇所が大きく変更された。 https://www.fsa.go.jp/news/r7/hoken/20251217-3/01.pdf 乗合代理店の実務上の焦点となっている比較説明・推奨販売については、顧客意向に沿って保険契約を選別する場合は、「事前に商品特性や保険料水準などの顧客が重視する事項を丁寧かつ明確に確認する必要がある」顧客の意向が不明確な場合も顧客が特に重視すると考えられる事項を例示するなど、可能な限り顧客の意向を把握することが求められる。また、特定の保険契約を推奨する場合、推奨する特定の保険契約以外の保険契約もある旨や顧客の求めに応じそれらの保険契約の概要又は契約内容を説明する旨を説明しているかが求められている点にも留意する必要がある。 顧客が特に重視すると考えられる事項の例示の具体例、具体的行動指針や、求められなくても説明すべきほかの保険契約の説明内容例については明記されておらず、パブコメで個別・具体的に質していく必要がありそうだ。 その際、比較説明においては、実務上、顧客に意向に沿った説明の際、特に顧客が重視する事項の例示がポイントとなりそうで、事前に顧客が重視する意向の把握につきデータ(記録・証跡の保存)等で整理しておくこと、また推奨販売においては、推奨方針(基準や理由)につき代理店として規則の策定や研修、PDCAを働かせ比較推奨販売に係る説明が適切に行われているかの確認・検証などの態勢整備が必要となろう。 なお1)から5)は業法施行日と同一だが、6)については外されている。 大型乗合代理店(規模が大きな特定保険募集人)については事業報告書の中に新たに推奨販売に関する推奨方針と、比較推奨販売の適切性の確認方法が追加された。 今回の指針案ではまた、新たに設けられた大型特定損害保険代理店及び生命保険募集人について法令等遵守責任者、統括責任者関連では法令等遵守責任者は営業店ごとに置かれることが基本だが、法令等遵守責任者としての業務に支障及ぼすおそれがなければ他の営業店の兼務が認められるとし、担当する営業店の数と規模、契約件数、保険募集人数、地理的近接性等を勘案して業務が実効的に可能で、役割や職責が十分に果たされているかで判断するとしている。 また特定大規模損害保険代理店及び生命保険募集人の要件は手数料収入が20億円以上となった。 監督指針案では、保険契約の募集上の留意点として、保険業法300条1項5号、特別利益の提供の禁止(保険会社による保険契約者への過度の便宜供与の禁止)関連では、規制対象となるのは、「保険契約に付帯されるサービス以外のものであって、売買その他保険契約者との間で対価を伴い行われるもの」、と明記され、保険付帯サービス(例えば自動車保険のロードサービス)は対象外とした。また、事故防止・損害抑制に係るサービス(ロスプリベンション)も「直ちに社会通念に照らして不相当と判断されるものではない」とされた。 一方、行政処分などで指摘されてきた自動車ディーラーなどによる特定の保険契約への加入を条件に保険契約者等に販売する車両価格の値引きについては、「保険会社または保険募集人において保険契約の締結や保険契約数または保険引受シェアの調整の前提として、当該取引の内容を決定する場合とは、例えば保険募集人が、特定の保険契約の加入を条件に、保険契約者等に販売する車両価格を割引などの行為が該当する」として監督指針案に明記された。 今回の指針案では契約者との取引を対価を伴うサービス提供の場合と対価のないサービス提供の場合で、判断基準が書き分けられている点に留意する必要がある。 (中) |
